本屋さんで見かけた光景を、友人から聞きました。駅前のショッピングロードの一番奥に、小さな新刊書店がありました。私鉄の沿線でよく見かけるチェーン店です。
友人は、レジ近くの雑誌を眺めていました。その時に、レジに一人の男性が来ました。文庫本を持っています。頭はスキンヘッドで、眉は太く、背はそんなに高くありません。友人は、タコみたいな人だと思ったそうです。ポロシャツにジーンズというラフな格好のおじさんは、本を買っていました。
店員さんに、紙のカバーをかけるかどうか聞かれてひと言「いらない」とぶっきらぼうに答えました。帯もいらない、袋もいらない、と立て続けに叫ぶように言いました。声が大きかったので、友人も店員さんも、周りのお客さんもちょっとびっくりしていたそうです。怖い感じもしたのです。
そのあと、おじさんは「あ、でも釣りはいるんだよな」と言ってにこっと微笑みました。その笑顔で、周りの人たちみんな和みました。店員さんも、はい、と元気よく答えてお釣りを渡していたそうです。お金を渡すところは見ていなかったけれど、投げるようなことはしない人だね、と言ってました。本をきちんと読もうという人には悪い人はいないものだと、勝手に私は思っています。

野外の手作り市で見たブックカバーが可愛い柄がたくさんでていました。お菓子の柄や星、四つ葉のクローバー、ハート、です。他には、和風の矢がすり、麻の葉、鹿子、唐草文様も揃っていました。10枚ほどすべて色違いで購入しました。家に帰ってきてテーブルの上に並べて、柄を堪能します。裏の布は無地で、組み合わせがまたいいバランスです。縫い方も、売り物だけあって、細かい部分がきれいに処理されていました。
見ているうちに、私も作りたいなあと思いました。ネットで探すと、作り方と手芸の本がヒットしたので、その中の2冊を買ってみました。手芸の本は、カラーの写真がたくさん載っているので、見ているだけでも楽しくなります。カタログを眺めているみたいです。
型紙がついている方がわりと簡単に作ることができました。長さが指定してあるだけだと、布をまっすぐ切ることが難しいです。
本を買ったその日に、2つ作り、翌日は5つ作りました。ひとりでは使い切れないので、友人にプレゼントしようと思います。文庫サイズは、ちょうどいいかなと思います。もうちょっと手芸の腕を上げたら、いろんなサイズのブックカバーを作ってみたいです。自分がふだん持っている本やノートが、全部可愛い柄のカバーがついたら個性的でいいなあと思います。また、自分のものだという目印にもなります。

恋愛小説は、特にドラマチックなストーリーが読みたいと思います。と、常々思うものの、じゃあ「ドラマ」って一体何なのだろうと考えました。
脚本を手がける友人が言うには、ドラマはというものは、登場人物それぞれの「葛藤」だと言いました。そこを乗り越えていくことで、ラストシーンでは、人間として成長した姿が描かれていればいいと、毎回書いているそうです。
恋愛には、いろいろな要素があります。恋人同士の二人の間だけでは解決しない家族の問題や、どちらかが思い病気にかかってしまうという展開もあります。また、関係を隠していることで、どちらかの親がらみの縁談が持ち込まれるかもしれません。関係を隠しているのは、既婚者だとか年の差だとか、身分違いだからとか、そうだよなあという理由があります。現代日本で身分違いはないだろうと思いますが、物語の設定でとしてゼロではないでしょう。それはそれで面白いですよね。
友人は、さらに「ドラマツルギー」が大切だと教えてくれました。ドラマツルギーとは、創作方法論ともいうべきもので、ストーリー展開はここから考えるということです。友人に聞いたので調べてみたら、社会学の用語の中にも同じ言葉がありました。言葉って、知識の広がりを見せてくれるものです。

友人から、今度「○○」っていう本を買ってきて、と頼まれました。私としては本屋さんに行く理由ができたので喜んでオッケーしました。
さて、本屋さんに着いて、まず入口の特集コーナーから見ていきます。その本屋さんはビジネス書の話題の本を平積みしていることが多いです。その日は、本当に珍しく小説が何冊か平積みされてました。大きな賞を受賞した作家さんの特集のようです。すごい好きな作家さん、まで行かないのですが手に取ってみました。すると、一冊は私の手にすんなりなじんでいます。その本はもう平積部分には戻せません。
次に、女性向けの恋愛エッセイや女性向けハウツー本のところに行きました。新刊をチェックして好きな作家さんをチェックします。次はあっちのコーナーこっちのコーナー、と自分の見たいところをぐるぐる回りました。手には、あの単行本のほかに2冊の文庫を持っています。
そこでレジに向かおうとして、私は立ち止りました。なんだか物足りない気持ちになったのです。何だろうとよく考えたら、頼まれた本を探していません。あわててスマホのメモアプリを立ち上げ、タイトルと作者名出版社名を確かめてレジ脇の検索機で在庫の場所を確認しました。これで本来の目的、達成です。

たまにどうしてなんだろうと考えてしまいます。どうして人は物語を書くのか、ということです。明確な答えが欲しいわけでもないんですが、考えます。そして、物語が大好きな自分についてもどうしてこんなに好きなんだろうと考えます。
高校時代の友人は、面白いお話や自分が100パーセント満足できるお話は、自分で創るしかないと言いました。だから彼女は大学ノートに鉛筆で手書きしてました。誰に見せるのでもなく、自分だけで楽しめればそれでいいのだそうです。高校卒業後専門学校から就職した友人はSEになりました。その頃には創作はしていなかったように記憶しています。ちょっと、もったいないです。
では、私はどうして読むのが専門なのでしょう。こうして短い文章や読書感想文や手紙は好きなのです。けれど、そういう文章を書くことと物語を書くことは別のことと思います。自分で好きにだらだらと綴ればいい文章と小説は違います。できたとしても、考えなしの小説はすぐわかるし、面白くないのです。
人は、一生に一度は本一冊分くらいの原稿は完成させることができるのだそうです。それが必ずしも人の心に響く名作だとは限らない、ということのようです。やっぱり、感動を呼び起こすものを完成させるのはそう簡単にはいきませんね。

作家さんにサインをもらうとなると、直接イベントで会いに行くことをしない限り手に入れることができないものと思っていました。私には出版関係の知り合いもいないので、編集者にお願いするという方法も使えそうにありません。
と、思っていたらある大型書店では作家さんのサイン本を販売していました。お店の入り口近くの特設コーナーの一つに置いてありました。自分の好きな作家さんはあるかなと眺めたら、5人くらいありました。ある作家さんは3種類くらいのサイン本が販売されています。
私は、そのコーナーの前に10分ほど経って手にしたり戻したりしました。それでも買うかどうか決められなくて、一旦文庫を見に行きました。新刊をチェックしたり、自分の買った本が何刷まででているのかとか確かめたり、担当編集者でもないのに細かく見ていきました。見ながらも、心のどこかで入口の特設コーナーのことは引っかかっているのです。
文庫の奥には児童書の棚があるので、そこもひとまわりしてきました。中学生対象の読み物は、大人が読んでも面白そうなものがあります。そして私は、またサイン本の棚に戻りました。好きな作家さんのものを2冊手に取って、もう迷わずにレジに向かったのでした。

先日、夕方に駅前の本屋さんに行ったら結構人がいました。昼間はそれほどいないのですが、夕方から閉店時間までは仕事帰り学校帰りの人が来ています。熱心に立ち読みしていたり、ぱらぱら雑誌を眺めている人もいます。
人が多いので、当然レジも混んできます。3つあるレジをフルに開けても人が並んでいます。買うのは1冊か2冊の人ばかりなのですけれど、とにかく人が多い日でした。私も列の最後に並びました。本は持っていません。どうしても在庫を調べて欲しいものがあったのです。しかもその店は、お客さん用の検索機がなかったのでした。レジ脇のお店用のパソコンで調べてもらわなくてはならないのです。
私のリクエストを調べてくれた店員さんは、在庫があるらしいとお店の中やストックを調べてくれています。その間にも列はなかなか短くなりません。次々人が来るからです。結局、在庫はなくて取り寄せてもらうことにしました。
それにしても、レジを担当する人は丁寧で早いです。中にはお金を出すのが遅い人もいますが、ニコニコしながら待っています。大人しそうな30代後半くらいの女性は、すごい店員さんだなあと思ってみてました。よく行く書店にいい人がいてよかったです。

本が好きという友人が友人を紹介してくれました。3人で話していたら読書会ってやってみたいねということになり、私が主催になりました。3人だけでは寂しいので、フェイスブックで声をかけたら2人きてくてるということです。5人それぞれが、一番好きな本を1~2分で紹介します。今回は初めてなので本のジャンルは限定しないことにしました。
当日、私の家の近くのカフェで集まりました。初めましての方もいるので自己紹介をしていたら、それだけで1時間以上かかってしまいました。おかげで、そのあとの本についての話がとっても弾みました。
発表していくということで、私も友人もちょっと緊張してしまいました。普段仕事でも人前で何かを発表する機会はないのです。1分半くらいに何を話すかまとめてきたはずなのに、途中で頭の中が真っ白になってしまって2分を超えてしまいました。おしゃべりは得意なのに、改めて話すとなると難しいものです。
本のジャンルは、5人見事にばらけました。恋愛小説、歴史小説、時刻表ミステリー、SFのスペースオペラ、ライトノベル、です。最後に紹介されたライトノベルはシリーズものの1作目でした。私は知らなかったシリーズなので買って読んでみたくなりました。結局5人で本屋さんにも行って、とっても盛り上がった読書会でした。

長い期間に渡って人気がある長編小説といえば、わたしが思いつくのはなんといっても「源氏物語」です。作者は紫式部という才女です。物語は平安時代です。全部で54帖、つまり54の章から書かれているということですね。400字の原稿用紙に換算すると2400枚もあるそうです。かなりの大作です。そして、登場人物はトータルで500人以上も出てくるのだそうです。これを書いた紫式部もすごいけれど、数えたり換算したりという人もまたなかなかのものです。
長編小説は読むのが大変です。時間もかかります。ましてや源氏物語は現代のことばで書かれたものではないので、一つ一つを理解するのにも時間がかかります。だから、読みたいときには現代の作家さんが現代語に訳したものを選びます。ストーリーの面白さの部分だけ味わいたいんですね。
源氏物語が面白いのは、恋愛の要素がいっぱい入っているのと時代背景とのからみです。主人公の源氏さん、一度はきらびやかな場所から退いているんですよね。地方に飛ばされるけどそこでも恋愛模様があります。この恋愛体質って、興味深いです。
長編小説は読むのに時間がかかります。それでも読みたいと思わせてくれる作品は、なかなか出会えません。源氏物語は、そのうちにまた読みたい作品のひとつなんです。

本を読んでいると、物語の世界に入り込むことがとても面白いです。そして、本という形そのものにも魅力を感じます。電子書籍の種類も増えてタブレットやスマートフォンで持ち歩くことができるのは、便利なことだと思います。それ以上に、私は個人的に紙に文字が印刷されている書籍が大好きです。大型書店でハードカバーを買って、最初のページを開くときのどきどきが好きです。
世界が広がると同時に、物語の香りも感じます。それは、いってしまえば紙とインクの香りです。無意識のうちに、深呼吸していることもあります。ふと、印刷しているところを見てみたいなあと思いました。ビールやお菓子の工場見学があるのですから、印刷屋さんの工場見学もあるのではないかと。
実際の工場の様子は、映画の一場面でしか見たことはありません。機械がとても大きくて、人が小さく見えたことが印象に残っています。また、本というものは何ページかの裏表を一枚の大きな紙に印刷してから、1ページごとに裁断していくということを知りました。
そんな機械を自分の目で見て確かめてみたいものです。たくさんの本が出来上がってくる場所は、一体どんな香りがするのでしょう。見学会があったら参加したいです。

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